更新日:|登録日:
更新日:|登録日:
数字的に見ると高齢出産(高年出産)は当たり前の時代になりましたが、これは医療技術の発展も大きく貢献しています。20代や30代前半に比べ、女性の身体的衰えは避けては通れず、高齢出産にはリスクがともないます。こちらでは、とくに40代での高齢妊娠・出産に注目し、リスクや気をつけるべきポイントを紹介していきます。
女性の社会進出や非正規就労者の増加などの社会現象などで、男女ともに晩婚化が進み、女性の出産年齢が上がっています。過去5年間の初産の平均年齢は30.7歳と、30年前より約4歳も上がっているのが現状です。
厚生労働省によると、2019年に40歳以上で出産した女性は全体の約5.9%。35歳から39歳で出産した女性は23.23%なので、それらを合計すると高齢出産は全体の約3割を占めることになります。
とはいえ、40代に入ると妊娠する確率が低くなるほか、流産するリスクや合併症を引き起こす可能性があります。
加齢とともに妊娠しにくくなる主な原因として、卵子の数の減少と卵子の老化による質の低下が挙げられます。
20代から30代前半のカップルが自然妊娠をする可能性は、25~30%と言われています。30代後半になると自然妊娠の確率は約15%、40歳では約9%、42歳では5%未満まで低下します。
生殖補助医療(排卵誘発や人工授精など)を受けた場合でも、妊娠率は20代~30代前半では40~45%であるのに対し、40歳では約25%まで低減。生殖補助医療を利用したとしても、妊娠が難しい状況になります。(※)
※参照元:[PDF]酒田市役所「男性・女性ともに妊娠・出産には適した年齢があります」
たとえ受精に成功したとしても、高齢出産の流産率は上昇する傾向があります。
日本の場合、流産の定義は妊娠22週前に妊娠が終了してしまうことです。流産は染色体の数の異常などにより妊娠を継続できない理由で起こりやすく、20代であっても一定数の割合は発生します。
20代から30代前半まで10%前後の横ばいの確率で発生しますが、35歳~39歳では約20%、40歳以上になると40%強まで跳ね上がります。
妊娠期間中に血圧が高くなる「妊娠高血圧症候群」や、血糖値が高くなる「妊娠糖尿病」は、高齢出産の妊婦さんほどかかりやすくなる傾向があります。これらの病気になると、母体だけでなくお腹の赤ちゃんにも悪い影響を及ぼすので、妊娠中はもちろん、妊活中から食生活に気を配ることが大切です。
35歳以上の高齢妊娠は、ダウン症候群など染色体異常の確率が上がるのが知られています。一般的に知られているのが21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)です。
たとえば35歳の妊婦さん(16週)の場合では、お腹の赤ちゃんがダウン症候群である確率は280人に1人ですが、40歳では76人に1人、42歳では43人に1人と確率が跳ね上がります。
※参照元:Kypros H. Nicolaides: The 11-13⁺⁶weeks scan. Fetal Medicine Foundation, London, 2004.[PDF]
40代での出産は、難産になりやすいとも言われています。その理由は、産道や子宮口が若い頃より硬くなっているため、赤ちゃんが降りにくくお産に時間がかかってしまうからです。
他にも若い頃より体力が落ちているために、産後の肥立ちが長引くことなども挙げられます。
妊娠がわかってから、お腹の赤ちゃんのことが心配でたまらないのは当然のことです。
ただ、インターネットやSNSで情報収集しやすくなった半面、正しい情報が判断しづらくなっています。
とくに賛否が分かれる出生前診断は主治医が安易に勧められるものではなく、出生前診断について知りたい妊婦さんたちに詳しい情報が行き渡っていません。
実際に必要とされている情報を提供するため、当サイトではアンケート調査を実施しました。
調査委託先:マクロミル
ご回答いただいた方:妊娠経験がある35歳~45歳の女性(計109人)
調査期間 :2022年1月26日から1月31日まで
多くの妊婦さんにとって、お腹の赤ちゃんが元気に生まれてきてくれるかどうかは気になっているという結果になりました。
35~45歳の妊娠・出産経験のある9割近くの方が、赤ちゃんに対して心配・不安に感じているようです。
5割の方が、インターネットやSNSで検索していることがわかりました。2011年頃からスマートフォンが普及してきたことで、気軽に検索して情報を得られるようになった背景も大きいでしょう。
ただ、インターネットやSNSで情報収集しやすくなった半面、正しい情報が判断しづらいのが現状です。
お腹の赤ちゃんの状態は1人ひとり違いますので、気になることがあればやはり主治医や胎児医学に明るい医師に相談することをおすすめします。
新型出生前診断(NIPT)を知っている多くの方が、NIPTでは診断を確定できないことを認識している状況でした。
NIPTはあくまでもスクリーニング検査であることを踏まえて検査に臨まれると良いですね。
NIPTはスクリーニング検査であることは理解されている方が多い半面、胎児の外見的・先天的な異常は検査できないことを知らない方が2割ほどいらっしゃるようです。
あくまでも母体血から調べる検査なので、胎児の外見的な異常は精密な超音波検査で、先天的な異常は赤ちゃんがいる子宮の絨毛組織や羊水を採取する検査でしか診断できません。
出生前診断のことを知っている109名のうち、半数以上が赤ちゃんの先天的な異常が100種類以上あることを知らないという結果が出ました。
NIPTは通常染色体数異常(ダウン症・18トリソミー・13トリソミー)の可能性を調べる検査として精度は高いものの、胎児の外見的な異常や先天的な異常はわかりません。
また、赤ちゃんの先天的な異常は100種類以上あります。外見的な異常が無いかどうかなど、お腹の赤ちゃんのことをより詳しく知りたいのであれば、NIPTだけでは十分とは言えません。精密超音波検査も必要になるのです。
精密超音波検査を前提としてお腹の赤ちゃんの異常を多く調べる出生前診断は、未来に備えるための選択肢の1つと言えます。
40代での高齢出産(高年出産)を控え、お腹の赤ちゃんのことをしっかり把握しておきたい方はぜひ、精密超音波検査や羊水・絨毛検査なども一貫して行なっている医療機関にご相談ください。
クリフム出生前診断
クリニックの
高齢ママ外来を
公式HPでチェック
40代での妊娠や出産についてリスクを述べてきましたが、これらは数字的な確率だったり、一般的に起こりやすい事柄であって、すべての高齢出産の妊婦さんに当てはまるわけではありません。
日頃からバランスよい食生活やライフスタイルに気を配り、適度な運動習慣があるだけでリスクが大きく低減する事柄もあります。主治医の指示に従い、母子ともに健康な状態で出産日を迎えられるよう備えておきましょう。
また、リスクがともなう40代の高齢妊娠では母体の健康面はもちろん、お腹の赤ちゃんの状態も気がかりでしょう。お腹の赤ちゃんの状況を詳しく知りたい場合には、出生前診断を受けるという選択肢があります。お腹の赤ちゃんのことが心配で不安を抱えている場合は、胎児診断を専門にしているクリニックや出生前診断を実施している病院に相談してみてください。
分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。
所在地:大阪府大阪市天王寺区上本町7-1-24松下ビル3F/問い合わせ:06-6775-8111
※開院年度・実績については同院HP参照
私のところでは、赤ちゃんの心配をしておられる40歳代の患者様が毎日多く来院されています。確かにいろいろなリスクが上がりますが、ひとつずつ心配をなくして笑顔で赤ちゃんを産んでおられる方もたくさんおられます。40歳代の患者様はキャリアウーマンでいろいろな知識ももっておられることが多く、安定した状態で子育てをしておられます。40歳代の妊娠はもう珍しいことではありません。前向きにがんばりましょう。
夫 律子(ぷぅ りつこ)
クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)
監修者情報≫
クリフム出生前診断
クリニックの
高齢ママ外来を
公式HPでチェック