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男性側の年齢による高齢出産のリスク

高齢出産に関しては、女性の年齢がクローズアップされがちです。しかし、男性側の年齢に何も障害がないかというと、決してそうとも言いきれないことが最近わかってきました。こちらでは、高齢男性の妊活や育児について紹介していきます。

高齢でも生殖機能はある

女性の卵子は、ママのお腹の中にいる胎児期に既に作られています。生まれてくるときは200万個ほどと言われ、その後、減少することはあっても、新たに増えることはありません。また50歳前後に閉経した後は、妊娠することはできません。

しかし男性の場合、精子は死ぬまで精巣で作られ続けます。アメリカではエルトン・ジョンとクリント・イーストウッドが60代で子どもを授かっていたり、日本の芸能界でも市村正親氏や郷ひろみ氏が50代後半で子どもを授かっています。

思春期から一生に渡り精子を製造できる男性は、女性よりはるかに長い期間、生殖能力があるのです。

高齢になるほど精子の活動は衰える

高齢になっても生殖能力があると述べましたが、実際は「精子の数」や「活動力」は歳を重ねるほど劣化します。

WHO(世界保健機関)では「1ミリリットル中に精子が1,500万以上、そのうち活発な動きをする精子が40%以上いること」が自然妊娠に望ましい条件とされています。しかし、高齢になるほど精子の数がこの条件に満たなくなったり、活発に動けない精子の割合も増え、自然妊娠が難しくなるのです。

また精子自体が老化、または損傷している割合も増加。そのため、たとえ卵子に受精できたとしても細胞分裂を促す力が衰えているというケースも多くなります。

生活習慣や個人差がありますが、「精子力」が下降するターニングポイントは30代半ばに差し掛かる頃からと言われています。

生活習慣と精子の関係

男性の加齢とともに、作られる精子数や活動的な精子の数が少なくなることが判明しています。しかし精子の劣化は個人差があり、生活習慣によっては精子力の衰えを先延ばしにできるのでは、とも言われています。

活性酸素の蓄積

精子力に触れる中で近年注目されているのが「活性酸素」です。

活性酸素は呼吸することで発生します。私たちの体内には、抗酸化酵素などによる防御システムも備わっていますが、喫煙習慣があったり紫外線やブルーライトを日常的に浴びたりしていると、活性酸素が体にたまって細胞を傷つけてしまいます。とくに精子の細胞膜は傷みやすいため、活性酸素のダメージを負いやすいと考えられています。

下記のような生活や環境下で、活性酸素がたまりやすくなるとされています。

睡眠不足による男性ホルモンの低下

男性ホルモンのひとつに「テストステロン」という物質があります。テストステロンは、約95%が精巣で合成・分泌されていて、20代頃が分泌のピークです。主に夜間に分泌されて精子の形成を促すため、分泌が減ると精子力も低下します。

そのため、睡眠不足や不規則な時間の睡眠は、テストステロンの分泌に影響を及ぼします。また肥満やストレスもテストステロンの形成を低下させるため、バランスのよい食事や適度な運動も生活に取り入れることが大切です。

血行不良

長時間のデスクワークやPC作業、ゲームのやり過ぎなど、同じ姿勢のまま動かなくなると血行不良になり、精子力が低下すると言われています。

精巣は血管から栄養分が補給されていますが、直径1ミリ程度の精巣動脈はほんの少しの事でも血流が滞りやすくなります。ネットの発展によって便利な世の中になりましたが、以前に比べて運動不足の男性が増えて、血流が悪くなり正常な精子の数が少なくなっているのです。

高齢パパの赤ちゃんへのリスク

近年、男性の加齢にともなう精子が胎児や赤ちゃんに及ぼすリスクについて研究&発表されるようになりました。

例えばアメリカの研究チームでは、2007年から2016年にかけて出生した赤ちゃん4,050万件の調査を実施。それによると、父親が45歳以上の赤ちゃんは、若いお父さんと比べて20g軽い体重で生まれ、2,500g未満になるリスクは14%高かったことがわかりました。

さらに、赤ちゃんが集中治療室で処置を受ける割合は14%、けいれんを起こす確率も18%高かったというデータが取れています。

他にも55歳以上の父親の赤ちゃんを妊娠している女性は、妊娠糖尿病になるリスクや流産リスクが高くなるという数値や、高齢の父親を持つ子どもの神経発達障害などのリスクにも関与している可能性が示唆されています。

ただしこれらの研究発表は、医療記録の分析による結果段階です。父親の年齢との因果関係は、現在も実験や研究が進行中です。

高齢パパのメリット

男性側の高齢出産においてのデメリットを挙げてきましたが、実はメリットも多いとされています。そのポイントは、20代のパパよりも30代後半や40代のパパのほうが経済的・時間的に余裕があり、精神的に落ち着いていて子育てに協力的だということです。

社会に出て間もない20代の男性は、立場的にも家庭より仕事を優先しがち。そのため、ママだけが育児負担に陥るワンオペ育児になりやすいと言われています。しかし30代半ば以降の男性は20代より安定したポジションや収入を確保できるうえ、新しい家族を強く望んで赤ちゃんを迎える傾向があります。そのため、育児の楽しさも苦労も夫婦で分かち合える家庭が多くなるようです。

Dr.ぷぅからの一言
夫律子先生

患者様のご主人が50歳代、60歳代であり心配されている方が多く私の施設にもこられています。でも多くの高齢パパたちは若い方にまけない気力と体力を持っておられることが多いことも事実です。心配は、しっかり赤ちゃんを診ることで解消できることも多いです。実年齢だけを考えず、前向きに頑張りましょう。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック胎児診断センター・胎児脳センター 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/臨床遺伝専門医ほか)

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

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