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手足の異常

このページでは、多指症や合指症、裂手症、裂足症の症状や出生前の診断方法、治療法などについてご紹介します。

どうやって手足の異常は診断されるの?

手のゆびは「指」と書きますが、足のゆびは「趾」と書きます。

多指症(多趾症)、少指症(少趾症)、合指症(合趾症)、短指症(短趾症)、裂手症、裂足症は、手足の先天性異常です。約1,000人に2人程度の割合で生まれるといわれています。

手指足趾の異常は単独で起こることもありますが、染色体異常や遺伝子変異により起こることもあると言われています。

また、親指を握り込んでいるような拇指内転は遺伝子変異による脳異常などとも関連していることがありますし、手指重合といって指が重なり合っている場合には18トリソミーなどの疑いがあります。親指が欠損している場合、二の腕の二本の骨のうち橈骨という骨も欠損していることがあります。

また、内反足、手首の拘縮などが見られることもありますが、これらは単独で起こることもありますが、染色体異常などとも関連していることがあります。

生まれる前の検査方法

手足の先天異常については、出生後にわかることも多いです。しかし、妊娠中の「胎児超音波検査」と呼ばれる精密性の高いエコー検査では細かい画像チェックができるため、手足の異常がある場合には羊水検査などを行なって全身病でないことを確認しておく必要があります。

先天的な手足の形態異常は妊娠中に大きく変化することは少ないですが、妊娠中に内反足などの症状が現れてくることもあります。妊娠中期以降に手足の状況を確認してくことが必要です。

多指症(多趾症)・合指症(合趾症)・裂手症・裂足症の発症理由

妊娠4週から7週目頃に上肢が形成され、上肢から1週遅れて下肢が形成されます。

手足の形態異常の原因は、まだはっきりと判明されていない部分もありますが、妊娠初期の過程で発育が一時的に止まってしまったり、骨が分かれなかったり、アポトーシス(細胞の自然死)が正常にされなかったことが要因と考えられています。染色体異常や遺伝子変異による場合もあります。

多指症(多趾症)・合指症(合趾症)・裂手症・裂足症の形態と症状

多指症(多趾症)とは

手足の指(趾)が6本以上ある状態を「多指症(多趾症)」と呼びます。日本人の場合、手足の先天異常の中で最も頻度が多く、過剰指(趾)が完全な指の形をしているものから、わずかに突出しているものなどさまざまな形態があります。

多指症(多趾症)の多くは単発的に発症します。妊娠初期に上肢が形成される段階で、まず大きな手のかたまりができます。そのあとに指間部が細胞死(アポトーシス)することで胎児の指が形成されていくのですが、その過程が正常に起きなかったことが原因(アポトーシス障害による指列誘導障害)とされています。

合指症(合趾症)とは

発生頻度は多指症に次いで多く、指と指とが分かれていない状態のことをいいます。隣り合った指(趾)の一部、またはすべてが融合した形態異常で、骨まで癒合している骨性合指(趾)と、皮膚と軟部組織だけが癒合している皮膚性合指(趾)に分けられます。

多くは偶発的、単発的に合指症のみを発症します。合指症もアポトーシス障害による指列誘導障害が原因とされています。

裂手症・裂足症とは

手足の指(趾)の中央列(第2、第3、第4指)が欠けているために、V字形のように切れ込み形成された状態に見えます。中指の欠損が多いですが、人差し指や薬指の発育不全をともなうものもあります。出生20,000人に約1人の頻度で起こり、男児に多くみられるのが特徴です。

多指症(多趾症)・合指症(合趾症)・裂手症・裂足症の治療方法

手足の先天異常は、小児形成外科で診てもらうことができます。手術後の長期的な経過観察、機能と外見の両面をできるだけ満足できるよう、手足の先天異常を扱う専門医療機関を探すことが大切です。

多指症(多趾症)の治療方法

麻酔による赤ちゃんへの影響を考慮する必要があるため、手術時期は1歳(体重10kg以上)から2歳頃に行うケースがほとんどです。

基本的に手術は未熟な指(趾)を切除しますが、それぞれの指には関節面が傾斜していたり、腱の付着部位にずれがあったりします。それらの情報を確認し、将来的な変形を見越したうえで治療計画を作成。骨の矯正や腱の処理、爪の形態を整えるなどの対応を必要とする場合もあります。指の根元に近いほど、腱の修正といった機能的な再建が必要となります。

合指症(合趾症)の治療方法

手術時期は1歳から2歳頃までに行うケースがほとんどです。

合指症(合趾症)には皮膚性のものと骨性のものがありますが、いずれのタイプにせよ分離手術を行います。指の癒合部分の長さによって、手術法は少し異なってきます。分離する際、足首や足の内側から皮膚移植(植皮術)を行うこともあります。

裂手症・裂足症の治療方法

X線撮影で指や趾骨の形態を確認して治療方針を決めていきます。それぞれの状態によって異なりますが、一般的には離れた指を引き寄せて、深いV字の切れ目を浅くするとともに合指を分離して自然な指間を形成します。1歳を過ぎてから手術を行うケースがほとんどです。

Dr.ぷぅからの一言
夫律子先生

赤ちゃんは常に手足を動かしているため、手指や足趾の異常は妊娠中に発見されないことも多いものです。また拇指の先だけが二つに割れているような多指症などは精密超音波検査でもみつからないことが多いです。産科の先生の中には手や足の異常があっても命にかかわるわけではないという考えから、指や趾まで細かく超音波で見ないと断言されておられる方もおられます。確かにそうかもしれませんが、ママやパパにとって、生まれてきてから手足の異常(特に手の異常)があるとわかると相当ショックが大きいです。生まれる前に胎児精密検査をしている施設でしっかり見てもらうことが大切です。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック胎児診断センター・胎児脳センター 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/臨床遺伝専門医ほか)

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

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