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20代の妊娠に出生前診断は必要?

働く女性をターゲットにしたある雑誌アンケートによると、「20代で妊娠をしたら出生前診断を受けてみたい」と回答した女性が約5割、実際に受けた人は約2割という結果になったそうです。

出生前診断自体は20代でも受けることはできますが、自分が必要としている検査を正しく把握する必要があります。出生前診断の検査の種類やその検査を通して何がわかるのかなど、事前に調べておきたいですよね。こちらのページでは、それらの事柄をまとめています。

出生前診断の種類と判明する事柄

出生前診断は大きく分けると「スクリーニング検査」と「確定検査」の2種類あります。検査名と判明する事柄は次の通りです。

スクリーニング検査

非確定的検査とも呼ばれています。100%の精度はないものの、染色体異常や形態異常(奇形)の可能性がわかります。スクリーニング検査の種類と、検査で判明する事柄は次の通りです。

確定検査

検査結果の精度はほぼ100%で、確かな診断を行うことができます。

一般的に出生前診断を行う場合は、スクリーニング検査を先に実施し、もしそこで疑わしい結果が出た場合に確定検査へと進みます。これは絨毛検査、羊水検査ともに妊婦のお腹に針を刺して検査を行うため、まれではありますが流産や感染症が起こり得るからです。

【医師監修】
出生前診断について詳しく見る

20代の妊娠は染色体異常のリスクが少ない

一般的に出生前診断は、35歳以上の高齢出産に推奨されています。その理由は、20代では染色体異常の確率が低いからです。一例として、妊娠12週の母体年齢とダウン症(21トリソミー)の推定確率を挙げてみましょう。

こちらの数字の通り、30歳を過ぎると発症率がグンと上昇します。20代では30代と比較すると確率としては低めですが、実際には20代で妊娠する人の数のほうが多いため、ダウン症の赤ちゃんを産むお母さんの実数は意外に20代が多いです。定期的な妊婦健診の超音波(エコー)検査で医師から指摘されなければ、出生前診断を受ける必要はないいう医師が多く、「若いから大丈夫」と首のむくみ(NT)なども見逃されてしまっている20代妊婦さんの数は多いです。

検査によっては年齢制限あり

出生前診断にはさまざまな種類があります。そのなかでも近年注目度が高いのは新型出生前診断の「NIPT」です。非確定検査とはいえ99%以上の精度を誇り、妊婦さんからの採血だけで3つのトリソミー異常の可能性が判明します。

しかし多くの医療機関では、NIPTの対象者は「35歳以上の高齢出産予定者」に限られています。これは、リスクの高い高齢出産者を優先的に検査するためと、NIPTを安易な気持ちで受けないよう日本医師会のNIPTコンソーシアムにより決められていることです。

その一方で、NIPTは認可施設以外でも検査をすることができます。無認可施設はとくに年齢制限がなく、妊婦さん1人の判断で検査を行うこともできます。年齢に関係なく検査を受けられるという点では魅力があるかもしれませんが、高額な上に、確定した検査結果をもらえるわけではないですし、陽性となってもきちんとしたカウンセリングを受けることができないなど、注意が必要です。

また、実際には40歳の妊婦さんと20代の妊婦さんでは背景となるリスクが違い、20代の妊婦さんでは陽性的中率(検査で陽性とでて、本当に病気である確率)が低いとされているため、NIPTよりも胎児ドックなどの詳しい超音波検査を受けることがすすめられます。

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医師とパートナーに相談して決めよう

20代で出生前診断を受けることはできます。発症率は低いとはいえ、お腹の赤ちゃんが染色体異常である可能性はありますから、不安に思う20代のママもいるでしょう。

ただ、1人で受けることを決めるのではなく、パートナーと話し合って決めてください。もし異常と判断された場合、妊娠を継続するのか否かなど、大きな苦悩を抱え込むことになります。その後の妊娠継続の意思なども含め、よく相談したうえで受けるのが「出生前診断」になります。

Dr.ぷぅからの一言
夫律子先生

クリフムにも最近では多くの20代妊婦さんが来られるようになりました。インターネットやSNSでいろいろな情報を見るためでしょう。赤ちゃんに病気がないか心配するお母さんの気持ちは20代も40代も同じです。心配であれば、きちんと検査を受けることを考えてみましょう。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

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