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母体血清マーカー検査

母体血清マーカー検査を受けるべきか、悩んでいる方もおられるのではないでしょうか。
ここでは、クリフム出生前診断クリニック胎児診断センターの監修のもと、母体血清マーカー検査の方法や内容、費用を含めた詳しい情報をお届けしています。

母体血清マーカー検査とは

「母体血清マーカー検査」とは妊婦の血中の成分を調べ、胎児の病気の可能性を出します。あくまで染色体異常の確率を予測するスクリーニング検査です。妊婦から少量の血液を採取して、結果が出るまで一般的には10日ほどかかります。

母体血清マーカー検査を受けるべきか迷っている方へ

母体血清マーカー検査は時期で2種類に分けられる

母体血清マーカー検査は大きく2タイプあり、妊娠週数によって検査の時期が分けられています。

中期血清マーカー検査(クアトロテスト)

妊娠16~20週ぐらいに行われます。母体の血液のAFP、hCG、uE3(不飽和エストロゲン)、inhibinA(インヒビンA)の4つが測定されることから、イタリア語やスペイン語で「4」を意味する「クアトロ」テストと呼ばれます。4成分の検査に加え、母体の年齢や妊娠週数、体重、家族歴や糖尿病の有無などの情報を踏まえて、先天性疾患の確率を出します。トリプルテスト(トリプルは「3」という意味です)というのもありますが、上の4つのうち3つの成分のみで確率を出すためクワトロテストよりも精度はやや低いです。

いまのところ日本では、初期より中期血清マーカー検査のほうが多数を占めています。 検査方法は、通常の血液検査と同じで、妊婦から少量の血液を採取し、成分を調べます。

初期血清マーカー組み合わせ検査(コンバインド検査)

妊娠11~13週に行われる初期血清マーカー組み合わせ検査は欧米で推奨されており、クアトロテストよりも主流になっています。

こちらも血液を採取しPAPP-Aとfree βhCGという成分を検査しますが、後頭部のむくみを調べるNT診断と組み合わせると、90%以上の確率でダウン症等の染色体異常を判別できると言われています。この組み合わせ検査をコンバインド検査と呼びます。

初期に血清マーカーのみの検査をすることもできますが、あまり推奨されていません。初期血清マーカー組み合わせ検査のほうがクワトロテストよりも精度がいいのに、日本で主流とならないのは、NT診断ができる資格をもった医師や検査師がまだまだ少ないからです。

血清マーカー検査でわかること

初期血清マーカー検査で確率がわかるのは、21トリソミー(ダウン症)・18トリソミー・13トリソミーの3つで、中期血清マーカー検査ではこの3つのトリソミーに加えて二分脊椎の確率も出ます。ただし、あくまでリスクの確率であり、NIPTよりも精度はかなり低く、また確定するものでもありません。

「二分脊椎」とは、中に脊髄神経の収まっている背骨の一部が形成不全となるため背中から脊髄神経が外に出てしまっている状態です。これによって神経が癒着したり損傷してしまうため、赤ちゃんには歩行障害や排尿障害などいろいろな神経障害が現れる可能性があります。

ダウン症の検出感度の違い

各検査法による21トリソミー検出の感度

初期血清マーカー(血液検査のみ) 65%程度
初期血清マーカー(血液検査+NT) 90%以上
中期血清マーカー検査 56~71%

(参照元:「母体血清マーカーの意味するところ」『日本産科婦人科学会雑誌』第65巻第9号,[PDF]

血液検査だけ行うより、超音波検査で出したNTとの組み合わせ検査の方が検出率が高いのが分かります。

ドクターから一言
夫律子先生

赤ちゃん想いなママとパパは、血清マーカー検査を受けるかどうかも迷うでしょうし、結果が出た後のことを考えると心配ばかり募ってしまうかもしれません。でも「我が子に元気に生まれてきてほしい」という気持ちはごく自然なことですよね。血清マーカー検査の結果はあくまでも参考になるものです。早期に確定検査による診断を受ければ、赤ちゃんとじっくり向き合う時間も作ることができます。不安な気持ちは抱え込まずに、私たち医師に聞かせてください。赤ちゃんのことを真剣に考えるパパとママを、クリフム出生前診断クリニックでは全力でのサポートに努めています。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)

クリフム出生前診断クリニックでの母体血清マーカー検査

クリフム出生前診断クリニックでも母体血清マーカー検査が行われています。ただし、これは初期の胎児ドックを受ける妊婦のみの血清マーカー組み合わせ検査というオプション扱いとなります。

検査するPAPP-Aとfree βhCGという血中成分は、計測機器によっても微妙に数値が変わることが指摘されており、クリフム出生前診断クリニックでは国際的に推奨されてる機器を導入して検査する徹底ぶりです。組み合わせ検査に用いるNT測定も、イギリスのFMFの資格取得者が超音波検査を使用します。より高度な機器や技術を用いた検査体制を整えています。

技術はもちろん、採血と同日に結果を知ることができるのも、妊婦にはありがたい要素です。 ただし、クリフムの胎児ドックでは超音波検査でNTだけでなく、鼻骨、血流やその他多くの所見を組み合わせてトリソミーの確率がはっきり出るため、妊婦さんがすべて血清マーカー組み合わせ検査を受けておられるわけではありません。

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

クリフム出生前診断クリニック クリフム出生前診断クリニック

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