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二分脊椎症

こちらのページでは、二分脊椎症(にぶんせきついしょう)が出生前診断でどのように検査されるのか、二分脊椎症だった場合の症状や治療法などをまとめました。

どうやって二分脊椎症と診断されるの?

本来ならば脊椎の管(脊柱管)の中に納まるべき脊髄神経が、脊椎の外に出ている状態を「二分脊椎症」と言います。

二分脊椎症には、外表から見てすぐにわかる「顕在性二分脊椎症」と、見た目ではわかりにくい「潜在性二分脊椎症」の2つのタイプがあります。

「顕在性二分脊椎症」は、背中に嚢胞状の腫瘤や水頭症が超音波検査で疑われることが多いですが、腫瘤がないようなケースもあり、出産後に指摘されることもあります。「潜在性二分脊椎症」の場合は、生後すぐにわかるケースと、体が成長することで脊髄神経に障害が起こり判明する場合にわかれます。

二分脊椎は国の難病指定を受けている疾患で、10,000人あたり5~6人の割合で発症すると言われています。

生まれる前の二分脊椎症の検査方法

胎児期に二分脊椎症が疑われる場合、そのほとんどが顕在性です。妊娠健診の超音波(エコー)検査で脊椎の形態に異常が見られるからです。二分脊椎症の胎児を妊娠している妊婦さんは、母体血液検査のAFP(アルファ フェトプロテイン)という項目が高くなることも確認されており、クワトロ検査などで疑いがあるとされることもあります。

二分脊椎症の発症理由

日本では、二分脊椎症の赤ちゃんは年間で500~600名出生していると報告されています。

二分脊椎症は、妊娠初期に胎児の「神経管」という中枢神経のもとになる部分に異常が生じて起こります。異常の原因は、様々な要因が合わさって生じるとされていますが、その一つに妊娠初期にビタミンB群の1つである「葉酸」の摂取不足によるものがあると言われています。葉酸は妊娠前から摂取することが基本で、妊娠してから摂取しても必要十分な量が妊娠初期の大切な時期には不足するとも言われています。妊娠初期は、脳や脊髄のもとになる神経管という環状構造物が形成される大切な時期です。葉酸は細胞の分裂と増殖、組織と臓器の形成に関係しているため、この時期に葉酸が不足すると、先天性異常の可能性が高くなるのです。

ほかにも、糖尿病、抗てんかん薬の利用、遺伝なども発症要素に加わります。

二分脊椎症とは

発生の最初には神経管という管が真ん中からファスナーを上と下にスーッと閉じるような形で閉じて行きます。頭とお尻付近で閉鎖不全が起こりやすいことがわかっていて、お尻付近で閉鎖不全がおこると二分脊椎症になります。

二分脊椎症は、上部の病変が重症になりやすく、病変が下部であればあるほど症状は軽くなる傾向にあります。下部の場合は腰椎(ようつい)や仙椎(せんつい)といった部分に病変が見られることが多く、下肢の運動や知覚麻痺、排泄といった機能障害を発症させます。

二分脊椎の病態は、症状が軽いものから重症なものまでさまざまですが、状態によって下記のように2つに分類されます。

顕在性二分脊椎症

外側から見てすぐに二分脊椎症とわかるものを「顕在性二分脊椎症」と言います。脊髄が表皮に覆われていないため、外表に露出している状態になっており(症状は人によって異なる)、腰から大きなこぶ(脊髄髄膜瘤=せきずいずいまくりゅう)のようなものが出ている、背中に亀裂(脊髄披裂=せきついひれつ)のような穴を生じている場合もあります。

潜在性二分脊椎症

皮膚で覆われているため、外側から見てわかりにくいのが「潜在性二分脊椎症」です。出生後に指摘されることもありますが、学童期や思春期になってはじめて判明する場合もあります。

二分脊椎症の症状

顕在性二分脊椎症の症状

脊髄髄膜瘤や脊髄披裂により、運動障害や感覚障害、膀胱直腸障害などの神経系障害が現れやすくなります。また、水頭症やキアリ奇形と呼ばれる中枢神経奇形の合併をともなうことが多いのも特徴です。

潜在性二分脊椎症の症状

潜在性の二分脊椎は、患部の膨らみ、あるいは小さい凹み、またその部分だけが多毛となっているなどを生じることがあります。成長期になると、腰の部分で癒着した脊髄が身長の伸びについていけず、下肢の運動や神経障害などの症状が出てくることがあります。

二分脊椎症の治療方法

顕在性二分脊椎症の治療について

顕在性二分脊椎が妊娠中に発見された場合、脊髄髄膜瘤にできるだけ触らないように出産します。出生してすぐに治療する必要があり、出生後48時間以内に「脊髄髄膜瘤閉鎖」の手術を行います。水頭症に対しては脳室腹腔シャント術という手術を行うのが一般的ですが、最初はリザバーというものを設置して脳室の水を少しずつ出すようにすることもあります。

潜在性二分脊椎症の治療について

皮膚の異常などをきっかけにCTやMRIなどの検査で潜在性二分脊椎症を診断された場合、小児脳外科医などの専門の医師と相談して早期手術を推奨されることもあります。症状が生じてからは、症状の軽減や悪化防止のためを目的とした手術を行いますが、できれば症状がないうちに治療した方がいいかを確認しておくほうがいいでしょう。

Dr.ぷぅからの一言
夫律子先生

二分脊椎症・脊髄髄膜瘤の診断は専門施設の胎児ドックでは妊娠初期から20週くらいまでに診断できることが多いですが、通常の妊婦健診では妊娠後半に見つかったり、生まれてから見つかったりするケースも多いです。早めにわかっていると、出産する病院で小児脳外科の専門医の先生に妊娠中にお話を聞くこともできるので、胎児ドックなどを受けておくことをお勧めします。
実際には二分脊椎は手術可能な疾患ですが、その後の経過などは個々のケースにより様々です。妊娠中からしっかり赤ちゃんのことを考えて準備していきましょう。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック胎児診断センター・胎児脳センター 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/臨床遺伝専門医ほか)

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

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