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NIPT

こちらでは、クリフム出生前診断クリニックに監修のもと、出生前検査の1つである「NIPT」について、その方法や内容、費用と条件などわかりやすく解説しています。

NIPTとは

「NIPT」とは「Noninvasive prenatal genetic testing」の略称で、無侵襲的出生前遺伝学的検査のことを指します。

「無侵襲的」とは「非侵襲的」とも言われ、採血のみで、体内に医療器具を挿入したりする必要がなく、体への負担のない検査のことです。NIPTでは、具体的には妊婦の血液中にある胎児の細胞のDNA断片を調べ、そこからダウン症などの可能性を判断します。

NIPTを受けるべきか迷っている方へ

受けるタイミング(妊娠週数)

一般的にNIPTは妊娠10週の初期から受けられ、妊娠後期の妊婦まで幅広く検査が可能です。

検査の対象になる方

日本産婦人科学会の指針(※)では、対象となりうる妊婦を次のように定めています。

※引用元:[PDF]公益社団法人日本産科婦人科学会倫理委員会「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査に関する指針」
(https://www.jsog.or.jp/news/pdf/NIPT_shishin.pdf)

ただし、この指針は「母体血を用いた出生前遺伝学的検査」施設認定・登録部会が認定した医療機関に適用される指針であり、NIPTを実施しているすべての医療機関に適用されているものではありません。ご留意ください。また、年齢については今後柔軟な対応になるようです。

NIPTの費用

NIPTは保険適用外の自費診療であり、医療施設ごとにその費用には差が見られます。一般的には費用を18万円前後としている医療施設が多いようです。

ただ、これは検査のみの費用。カウンセリングや診察料金を含むと20万~25万円は必要になることを想定しておきましょう。

しかし、日本だけがこのように高額で、海外では1万円から6万円くらいで受けられるところがほとんどです。遅かれ早かれ、日本でもそのようになるでしょう。

NIPTの診断内容とわかること

NIPTでは、ダウン症・18トリソミー・13トリソミーといった3つの染色体異常の確率を調べることができます。結果が出るまでに採血から数日~2週間くらいかかります。

もし何らかの異常が見つかったら…

NIPTでわかる結果は、ママの血液からみたスクリーニング結果でしかなく、確定結果ではありません。

陽性結果が出ても正常な元気な赤ちゃんであることもあり得ます。陽性と診断されると、妊娠16週以降で受けられる羊水検査に進み、より正確な診断を仰ぐことを勧められるのが基本です。

一方で、NIPTでわかるのはダウン症・18トリソミー・13トリソミーの3つの染色体異常のみ。精度の高い超音波機器で実際に赤ちゃんを見てみると、顔や手足に異常があることも少なくありません。

しっかりお腹の赤ちゃんの状態を把握しようとするなら、超音波検査を含む出生前診断を受けるのが良いでしょう。

NIPTとその他検査の違い

NIPTと胎児ドックの違い

結果が出るまで 検査でわかること 検査対象
NIPT

4日~2週間

ダウン症・18トリソミー・13トリソミーの確率

母体の血液

胎児ドック(※)

当日

ダウン症・18トリソミー・13トリソミーの確率・その他の遺伝学的異常の可能性、その他先天性疾患(形態異常など)の全般

胎児

NIPT 胎児ドック(※)
結果が出るまで 4日~2週間 当日
検査でわかること ダウン症・18トリソミー・13トリソミーの確率 ダウン症・18トリソミー・13トリソミーの確率・その他の遺伝学的異常の可能性、その他先天性疾患(形態異常など)の全般
検査対象 母体の血液 胎児

※クリフム出生前診断クリニックの胎児ドックを例にあげています。

NIPTも胎児ドックも、どちらもダウン症など3つの染色体異常の可能性を、確率として数字でチェックすることができます。ただし、NIPTは結果が出るまでに4日~2週間を要し、その間に夫婦は不安の中で過ごさなくてはなりません。

一方、胎児ドックの場合、例えば当サイトを監修していただいているクリフム出生前診断クリニックだと検査直後に診断結果を聞くことができます。

また、NIPTはママの血液検査であるため赤ちゃんの体をもとにした検査はできませんが、胎児ドックであれば染色体異常に限らず、お腹の赤ちゃんを隅々までチェックできます。赤ちゃんの検査なので赤ちゃんを見るのは当然ですね。

NIPTと母体血清マーカー検査の違い

ママの血液をもとに検査をする点ではNIPTと似ていますが、母体血清マーカー検査はママの血液の中にある「PAPP-A」「freeβhCG」というタンパク質とママの年齢、NT(首のうしろのむくみ)の計測と組み合わせて確率を出す「母体血清マーカー組み合わせ検査(OSCAR検査)」が初期の血清マーカー検査です。

従来からあるトリプルマーカー、クワトロテストという15-16週くらいに採血して3つあるいは4つのマーカーだけでダウン症の確率を出すやり方は、数十年前に開発された血清マーカー検査です。

現在では、初期の血清マーカー組み合わせ検査が多くの施設で行われていますが、NT計測の資格がある検査者がいない施設では受けられません。

トリプルマーカー・クワトロテストという従来の方法も陰性的中率が高い、つまり陰性となれば安心できる検査だと言われているので、他に選択肢がない場合には受ける価値はありますね。ただ、高年齢の方は結果が陽性と出る可能性の方が高いので、受けても結局羊水検査を受けることになることが多いです。

一般にはママの血液中にある胎児DNAの断片を調べるNIPTのほうが、母体血清マーカー組み合わせ検査よりもかなり精度は高いものの、初期の母体血清マーカー組み合わせ検査では実際に赤ちゃんを診てから検査を行なうため、どちらが良いかは医師の判断を仰いだほうが良さそうです。 たとえば、NTが分厚い赤ちゃんの場合には、通常、血清マーカー検査にもNIPTにも進まず、絨毛検査を受ける方が確定するまでの時間がかなり短くなります。

NIPTも母体血清マーカー検査も採血で検査できるため、母体への負担はほとんどありません。ただし、どちらも検査結果だけで病気が確定するわけではないスクリーニング検査です。疑いがあるとされた場合には、確定的検査である絨毛検査や羊水検査を行なうことになります。

NIPTと絨毛検査の違い

ダウン症(21トリソミー)などの染色体異常の可能性を血液検査で調べるNIPTに対し、絨毛検査では、実際に赤ちゃんの染色体を顕微鏡で観察して、染色体異常があるかを確認します。

ウン症に関しての検査精度はNIPTで96.7%(※)、絨毛検査だと100%になります。NIPTは3つの染色体異常の可能性を評価する検査であり、精度は高くても、あくまでも非確定的な検査です。

また、絨毛検査ではその他の染色体異常も見つけられる点ではNIPTと異なります。絨毛検査のリスクは0.1%と言われており、羊水検査よりも低リスクな検査だといえます。

※参照元:NIPT: noninvasive prenatal testing
([PDF] https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000559098.pdf)

参考元:胎児の染色体について | クリフム出生前診断クリニック
(https://fetal-medicine-pooh.jp/fetal_medicine/chromosomes/)

NIPTと羊水検査の違い

あくまでも異常の可能性を血液中の数値で評価するNIPTに対し、羊水検査では母体の羊水から染色体を採取して検査します。NIPTは妊娠初期に採血するだけなので、検査時のリスクはほとんどありませんが、確定的ではありません。

一方で、羊水検査の精度は100%ですが、検査時に流産してしまうリスクも0.2%程度あります。NIPTなどのスクリーニング検査で「陽性」となった方が受けられています。

クリフム出生前診断クリニックで行なわれている「CRITO-NIPT」について

当サイトの監修をお願いしているクリフム出生前診断クリニックでは、CRITO-NIPT(※)が始まっています。CRITO-NIPTとは「ローリングサークル複製」「イメージングテクノロジー」といった新しい技術を取り入れたNIPTです。

2019年から2020年にかけて、クリフム出生前診断クリニックとリッツメディカル株式会社、スウェーデンのPerkin Elmer社で行なわれた臨床研究(CRITOスタディ)を経て、CRITO-NIPTは生まれました。2021年にはDiagnostics誌(Impact Factor, 3.706)に掲載されています。

お腹の赤ちゃんに起こる「異常」には染色体異常だけではなく、顔や手足など外見的な部位の「形態異常」もあります。赤ちゃんの外見に起こる異常はママの血液検査だけではわかりません。

そのため、クリフム出生前診断クリニックではCRITO-NIPTの検査を含めた「クリフム新型出生前診断モデル」に基づいて、精密超音波検査(胎児ドック)から始め、必要に応じてCRITO-NIPTを行なっているようです(CRITO-NIPTは妊娠11週より受けられます)。

クリフム新型出生前診断モデル
図の提供:クリフム出生前診断クリニック
※CRITO-NIPTに関する論文:Clinical Validation of Fetal cfDNA Analysis Using Rolling-Circle-Replication and Imaging Technology in Osaka (CRITO Study)

CRITO-NIPTの費用

※胎児ドックは必ず受ける検査になります。また、初回受付手数料3,080円、主治医の紹介状なし5,500円~、診療情報提供書8,800円などがかかります。妊婦さん1人ずつ必要な検査によって費用が異なるため、詳しくはクリフム出生前診断クリニックにお問い合わせください。

他の医療機関でNIPT陽性と言われた方も受け入れている

NIPTを実施している近くの医療機関で検査したものの、結果用紙だけ渡されてしまい、担当の産婦人科医にも言えずに困っている妊婦さんもいらっしゃるかもしれません。

クリフム出生前診断クリニックには、そんな方を積極的に受け入れて、相談に応じてくれる「NIPT陽性専門外来」があります。

NIPT陽性専門外来では、精密超音波検査でお腹の赤ちゃんをじっくりみて、羊水検査や絨毛検査が必要そうであれば即日でも対応してくれるようです。また、遺伝カウンセリング学の知識が深い副院長もおり、NIPTの結果用紙でわからない点は相談に乗ってもらえるはず。

不安な気持ちを抱えたまま妊娠生活を続けるのは、ママにとってもお腹の赤ちゃんにとってもつらいことです。結果を知って安心したいと思う方は、クリフム出生前診断クリニックに相談してみてください。

Dr.ぷぅからの一言
夫律子先生

パパとママにとっては赤ちゃんに異常がないかどうか、その確率が出るのを待つだけでもとても不安ですよね。確率が出たとしても、その後のことが心配になってしまうでしょう。

NIPTでダウン症陽性とでても、全く正常な赤ちゃんのこともあり、稀ですがNIPT陰性と出てもダウン症の赤ちゃんが生まれてくることもあります。NIPTでの判定は確定できるものではありません。

でも赤ちゃんは待ってくれません。赤ちゃんとしっかり向き合う時間を確保してあげてください。夫婦で話し合い、心配なことは私たち医師を頼ってください。出生前診断は、結果が出た後に赤ちゃんと向き合うことが大切で、それをサポートするのも私たちの役目です。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)