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ダウン症

ダウン症(21トリソミー)の出生確率や、出生前診断での検査方法、ダウン症の発症理由や症状について詳しくまとめています。

年齢ごとのダウン症(21トリソミー)の発生確率目安

母体年齢と妊娠週のダウン症出生の推定確率

年齢 12週 16週 20週 40週
20歳 1/1,068 1/1,200 1/1,295 1/1,527
25歳 1/946 1/1,062 1/1,147 1/1,352
30歳 1/626 1/703 1/759 1/895
31歳 1/543 1/610 1/658 1/776
32歳 1/461 1/518 1/559 1/659
33歳 1/383 1/430 1/464 1/547
34歳 1/312 1/350 1/378 1/446
35歳 1/249 1/280 1/302 1/356
36歳 1/196 1/220 1/238 1/280
37歳 1/152 1/171 1/185 1/218
38歳 1/117 1/131 1/142 1/167
39歳 1/89 1/100 1/108 1/128
40歳 1/68 1/76 1/82 1/97
41歳 1/51 1/57 1/62 1/73
42歳 1/38 1/43 1/46 1/55

(参照元:Kypros H. Nicolaides: The 11-13⁺⁶weeks scan. Fetal Medicine Foundation, London, 2004.[PDF]

表からもわかる通り、20代では低い数値であったものが、30歳からはダウン症出生の確率が徐々に高まっていき、高齢出産になるほどダウン症の子が生まれる頻度は高まります。

どうやってダウン症(21トリソミー)と診断されるの?

ダウン症とは、通常2本の21番染色体が3本と1本多くある染色体異常で「21トリソミー」とも呼ばれ、心疾患などを伴う場合も多く見られます。ダウン症と診断を確定させるには、染色体検査が必要です。

生まれる前のダウン症の検査方法

ダウン症の可能性・確率を判定する出生前診断

母体血清マーカー検査

妊婦の血液を採取する検査です。妊娠初期・中期と時期によって検査する血中の成分が異なります。日本では妊娠中期の16~20週目に行う母体血清マーカー検査がトリプル検査・クアトロ検査としていまだ多く利用されています。

欧米では妊娠11~13週の初期母体血清マーカー組合わせ検査(赤ちゃんの首のむくみを正確に計測し、お母さんの血清マーカーと組み合わせてダウン症の確率を出す検査)がかつてから主流で、現在日本でもやっている施設が増えてきています。

母体血清マーカー検査でわかること・検査内容をくわしく

NIPT

「NIPT」は、「無侵襲的出生前遺伝学的検査」(=Noninvasive prenatal genetic testing)の略称として使われています。これは妊娠中の母親の血液中にある赤ちゃんの胎盤(絨毛)から出た遊離したDNA(デオキシリボ核酸)を調べて、21染色体に由来する断片の量から赤ちゃんが21トリソミーの可能性が高いかを判断するものです。高い確率が出ても、この検査ではまだ病気が確定しません。妊娠10週以降から受けられます。

NIPTでわかること・検査内容をくわしく

胎児ドック

「胎児ドック」は「胎児超音波検査」で胎児の発育状態を詳細に観察し、病気の可能性を調べるものです。妊娠11~13週(妊娠初期)、妊娠18~21週(妊娠中期)、妊娠29~31週(妊娠後期)の期間が理想的ですが、その他の期間でも受けることができます。赤ちゃんの首のむくみやその他を見る資格を持っている医師による初期胎児ドックではダウン症の可能性・確率を教えてもらえます。

胎児ドックでわかること・検査内容をくわしく

ドクターから一言
夫律子先生

これら非確定検査と呼ばれる検査で出る確率・可能性は、あくまで目安に過ぎず「絶対」でもありません。もし高い確率が出たらとても不安になると思いますが、高い確率の赤ちゃんでも正常である可能性は十分にあります。どうか焦らず一呼吸置いてください。確定検査(絨毛検査・羊水検査)を受ける時期は妊娠週数にもよりますが、非確定検査で高い確率が出た場合、確定検査を受けるかどうかを考える機会だと思いましょう。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック胎児診断センター・胎児脳センター 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/臨床遺伝専門医ほか)

ダウン症の診断を確定する出生前診断

羊水検査

母体から羊水を採取し、その中に浮かんでいる胎児の細胞を染色体検査するものです。通常は妊娠16~18週で行われる検査で、破水や流産するリスクがごくわずか(0.3%)にあります。迅速結果を出す施設では1-3日で結果が出ますが、一般には2-3週間後の結果となります。

羊水検査でわかること・検査内容をくわしく

絨毛検査

未熟な胎盤である「絨毛」を採取し、胎児の染色体異常や遺伝子疾患を診断する検査です。病院ごとに差は見られますが、一般的に妊娠11~13週頃に行われます。羊水検査より早く実施できるのが利点ですが、対応している病院が限られています。迅速結果を出す施設では1-3日で結果が出ますが、一般には2-3週間後の結果となります。
以前は、流産リスクが1%あると言われていましたが、現在の報告では熟練した医師による絨毛検査の流産リスクは0.2%と羊水検査より低いと言われています。

絨毛検査でわかること・検査内容をくわしく

ドクターから一言
夫律子先生

確定検査を受けるか検討しているご夫婦は、きっと不安な日々を過ごされていることと思います。検査で陰性と出れば、出産まで落ち着いて準備ができますね。出生前診断の結果は、ゴールではなくスタートです。もし陽性だったとしても、赤ちゃんと向き合う時間をどうぞ大切にしてください。想いを内に秘めず、聞かせてください。どんな道を選んだとしても、ママとパパの声を聞き、心をサポートすることが私たちの役目だと考えています。

夫律子先生
【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。染色体異常の確定検査は絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から正確な診断のために紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

クリフム出生前診断クリニック クリフム出生前診断クリニック

検査内容を
公式HPでチェック

所在地:大阪府大阪市天王寺区上本町7-1-24松下ビル3F/問い合わせ:06-6775-8111
※開院年度・実績については同院HP参照

妊婦健診での指摘

妊婦健診でダウン症の可能性を指摘されるきっかけは、エコー写真でみる赤ちゃんです。ダウン症の疑いがある胎児には、後頭部・首のむくみ、手足の長さ、頭の大きさ、鼻骨の長さなどに異常が見られます。

ダウン症の疑いが見られるエコー写真の特徴とは?

ダウン症の発症理由

ダウン症のほとんどは、受精の際に偶発的に起こる染色体異常や、卵子や精子の分裂の異常によってもたらされます。父親や母親の染色体には問題のない場合が大半です。

ダウン症は「標準型21トリソミー型」・「モザイク型」・「転座型」の3つに大別されているので、それぞれ簡単に説明しましょう。

標準型21トリソミー型

ダウン症全体の約95%と高い割合を占めているのが「標準型21トリソミー型」を原因としたものです。「トリソミー」とは、通常2本で対になっている染色体が何らかの要因で3本になることを指します。

モザイク型

「モザイク型」を原因とするダウン症は、全体の3%以下という少ない割合で存在します。モザイク型の場合は、正常な21番染色体を有する細胞と、21トリソミーの細胞の両方が混ざっている状態で、組織によりその混じっている率も違い、症状も標準型の21トリソミーより軽いことも多いです。

転座型

ダウン症の5%は、「転座型」と呼ばれる症状から起こっており、これはお母さんかお父さんの21番染色体がほかの染色体(もう一本の21番染色体や14番染色体など)とくっついていて、そのくっついた染色体が赤ちゃんにいくと21トリソミーとなってしまうことから起こります。

改めて、ダウン症とはどんな病気なのか

ダウン症の症状

個人差はありますが、ダウン症の人には次のようなさまざまな症状が現れます。

顔の特徴 ダウン症の子どもの顔つきには同じような特徴があります。後頭部が絶壁であることや、両目が少し離れていて目尻が吊り上がっていること。鼻は低く、舌が大きいという傾向があります。
発達の遅れ 言葉や筋肉の発達の遅れが見られることが多いです。そのため筋力が弱く、言葉が不明瞭に聞こえます。
合併症 先天性の心疾患を持って生まれる可能性があり、さまざまな臓器への合併症を生じていることもあります。

ダウン症だと寿命が短いって本当?知的障害は?

ダウン症の平均寿命は20歳程だと囁かれていた時代もありましたが、医療技術の発展に伴い、現代では寿命も50歳以上と伸びています。
なかには70歳以上になっても元気に暮らしている人もいるなど、今後も寿命が延びていくことが考えられます。

また、ダウン症の知的障害は人によってかなり幅広いため、その定義も難しいとされています。
車の運転など日常生活をひとりで送ることのできる人もいれば、大学を卒業している人も、アーティストとして活躍している人もいます。

ダウン症の子の育児・子育て・公的支援

公的支援にはさまざまな種類がありますが、ダウン症があるからと言って受けられるものではありません。あくまで生活していくのが困難な場合にのみ支援を受けられます。
それぞれの公的支援ごとに条件も異なるため、 各自治体の相談窓口なで詳しい相談をしてみましょう。

ドクターから一言
夫律子先生

「元気に生まれてきて欲しい」と願うのは罪ではありませんよね。出生前診断を受けてわが子の成長を確認したいと思うパパとママの気持ちは、自然な親心だと私は考えています。もしダウン症と分かっても、お腹にやってきた赤ちゃんはもちろんのこと、パパとママも誰も悪くない。
出生前診断で大切なのは、赤ちゃんにどれだけ向き合えるかです。どんな道を選ぶとしても真剣に考えるご夫婦のために、私たち医師はより正確な診断の提供と心のサポートに努めていきます。一緒に赤ちゃんと向き合いましょう。

夫律子先生