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こちらのページでは先天性腸閉鎖症 腸狭窄症の症状や検査方法などについてまとめています。編集部では、より確かな情報をお届けするために、クリフム出生前診断クリニックの夫先生に監修をお願いしています。
先天性腸閉鎖症とは、生まれつき十二指腸や小腸(空腸・回腸)の一部が詰まっている症状を言います。そして、腸の幅が極端に狭くなっている症状を「腸狭窄」と呼びます。腸閉鎖症は十二指腸と小腸ともに多くみられますが、腸狭窄症の場合は十二指腸に多く見られます。先天性腸閉鎖症・狭窄症は、新生児の外科疾患のうちの10~20%を占めます。
先天性腸閉鎖症や腸狭窄症については、妊婦中期から後期の胎児超音波検査で判明することが多くなっています。羊水過多や腸の拡張サインなどの画像診断から読み取るのですが、胎児期にはあまり目立たなく、出生後に判明するケースもあります。
先天性腸閉鎖症や腸狭窄症と判断された新生児の約半数に、妊娠時期に母体の羊水過多が認められています。また先天性腸閉鎖症・腸狭窄症の赤ちゃんは、早産や未熟児で生まれてくる場合も多いようです。
発生過程の障害によって、腸の内腔の一部閉じてしまう先天性腸閉鎖症・腸狭窄症は、消化管再開通障害や胎生後期の血行障害などが原因と言われています。。
「先天性腸閉鎖症」とは、生まれつき腸の一部が詰まったりする疾患です。腸の一部が狭くなっているケースを「腸狭窄症」と呼びます。胎児新生児の消化器官閉鎖および狭窄は、出まれてくる赤ちゃんのうち2,000~5,000人にひとりの割合で発症すると言われています。
先天性腸閉鎖症は、十二指腸、回腸、空腸の順に多く見られ、下記のようにいくつかのタイプに分類されます。
狭窄症は、十二指腸に多く見られるのが特徴です。十二指腸閉鎖は、ダウン症や他の消化管奇形、心臓病などの疾患と合併するケースもみられます。
通常、口から摂取した食べ物や飲み物は、食道から胃に入って十二指腸→小腸(空腸→回腸)→大腸→肛門へとつながっています。
しかし先天性腸閉鎖症や腸狭窄症は、口に入れたものが狭窄部または閉鎖部の手前で溜まるため、嘔吐・お腹が膨れる・腹痛などの症状をきたします。閉鎖の場所が口に近いほど早く吐きはじめ、肛門に近いほどお腹が膨れます。それにともない脱水や血液循環が悪くなり黄疸がでることもあります。
出生前の超音波検査で先天性腸閉鎖症が疑われた場合は、新生児外科治療ができる高次医療施設で分娩するよう担当医師と話し合ってください。出生後に診断された場合も、新生児外科治療ができる医療施設へ緊急搬送となります。
出産後に緊急処置として、胃管の留置や持続吸引をして腸管の減圧を実施し、点滴で脱水や電解質異常の補正を行います。このようにして赤ちゃんの状態を改善させたうえで、狭窄部や閉鎖部を切除して腸どうしを縫い合わせてつなぎます。
消化管閉鎖単独疾患で短腸症候群を起こさなければ、このような外科手術で根治が期待できます。
多発型などで使える腸管が短い場合は、術後も長期間高カロリー輸液が必要になるでしょう。合併症がある場合は、さらに慎重な治療が必要です。
分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。
所在地:大阪府大阪市天王寺区上本町7-1-24松下ビル3F/問い合わせ:06-6775-8111
※開院年度・実績については同院HP参照
胎児に消化管の病気が疑われる場合には、羊水検査などを行なって染色体などに異常がないことを確認した上で、小児外科などの専門医がいる病院で分娩することが望ましいです。きちんと治療できることも多いので、落ち着いて専門医を受診することが必要です。
クリフムでは、胎児に消化管の病気が疑われる場合には、大学病院の小児外科の先生と一緒に総合判断を行い、出生前から小児外科医とともにご両親のカウンセリングを行なって出生・生後の治療につなげていきます。
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夫 律子(ぷぅ りつこ)
クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)
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