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胎児の脳に異常があると言われた…

胎児の超音波エコー検査で、もしも脳に黒い影のようなものが見えた場合、どうすれば良いのでしょうか。ここでは、胎児の脳の成長と検査について、より確かな情報を届けるため、クリフム出生前診断クリニックの監修のもと執筆しています。

エコー写真で脳に黒い影があったら

特に妊娠初期の胎児エコー写真では、撮影する角度によって頭の状態が異なっているため、脳に黒い影があったり左右で偏りがあったりとしても、必ずしも病気であるとは限りません。

医師と相談のうえ、不安な点があるようであれば胎児脳ドックなど、さらに詳しい検査を受けて結果を待ちましょう。

妊婦健診で脳の異常を指摘されるとしたら

一般的な妊婦健診で、医師から胎児の脳の異常を指摘されるのは妊娠中後期であることが多いようです。その場合には、さらに詳しい脳神経超音波検査、場合により羊水検査を促されます。

脈絡そう嚢胞

髄液を生み出す脈絡そう(みゃくらくそう)というところが脳室の中にあります。この脈絡そうというのは脳自体ではなく、単に水を産生するスポンジのようなものです。このスポンジの中に水が溜まり込んでいると、脈絡そう嚢胞と呼ばれますが、両側にあっても嚢胞が大きくても病気ではありません。ただ、18トリソミーなどの赤ちゃんには、この脈絡そう嚢胞の頻度が高いと言われています。脈絡そう嚢胞はほとんど26週までに自然に消えてしまいます。

水頭症・脳室が大きい

脳の周りには「髄液」が存在しています。髄液は脳内の「脳室の中の脈絡そう」という場所で作られ、脳室を循環してから脳や脊髄の周囲へと流れていきます。脳室は妊娠初期には大脳の多くの部分を占めていますが、脳が発達していくにつれ、徐々に脳室の割合が少なくなっていきます。

髄液の通り道がどこかで狭くなって流れが滞ったり、せき止められたりすると、脳室が拡大して「水頭症」になります。二分脊椎などの合併症があるために水頭症になる場合もよくあります。

また、髄液の通り道は正常だけれども、脳自体の発育がゆっくりしているため、妊娠初期のように脳室が大きく見えることがあります。脳の発育自体は個人差もありますので、心配であれば脳ドックなどをしっかり受けてみましょう。

胎児の脳の発達

お腹の中で、赤ちゃんの脳はどのように発達していくのでしょうか。胎児脳センターを併設しているクリフム出生前診断クリニックにご協力いただき、妊娠5~6週頃から図とともに解説します。

妊娠5~6週頃

【妊娠5~6週頃の胎児】

妊娠5~6週頃の胎児
画像提供:クリフム出生前診断クリニック

妊娠5~6週頃になると胎児の背中の割れ目が閉じて、脳と脊髄の原型ができます。

妊娠7~8週頃

【妊娠7~8週頃の胎児】

妊娠7~8週頃の胎児
画像提供:クリフム出生前診断クリニック

妊娠7~8週頃になると、今まで1つしかなかった胎児の前脳が右と左の大脳にはっきりと分かれます。

妊娠3~4ヶ月頃

【妊娠3~4ヶ月頃の胎児】

妊娠3~4ヶ月頃の胎児
画像提供:クリフム出生前診断クリニック

妊娠3~4ヶ月頃になると、神経細胞がどんどん増殖していきます。大人の脳細胞のほとんどは胎児期に作られます。

妊娠3~4ヶ月頃の胎児2
画像提供:クリフム出生前診断クリニック

大脳がどんどん大きくなり人間の脳らしくなっていきます。

必要のない細胞はアポトーシスといって自然に死んでなくなっていきます。

妊娠3~5ヶ月頃

【妊娠3~5ヶ月頃の胎児】

妊娠3~5ヶ月頃の胎児
画像提供:クリフム出生前診断クリニック

大脳基底核隆起というところや脳室の周りに生まれた神経細胞の赤ちゃんが、活発に脳の表面に向かって移動していき、大脳皮質(人の知的な活動を司る部分)がつくられていきます。

妊娠5ヶ月頃から脳の組織がしっかりできていき、それは生まれた後まで続きます。

妊娠7ヶ月以降

【妊娠7ヶ月以降の胎児】

妊娠7ヶ月以降の胎児
画像提供:クリフム出生前診断クリニック

妊娠7ヶ月以降になると脳表面のシワが少しずつ確認できるようになります。脳の急速な発達により、シワがどんどん増えていくのです。

また、生まれた時の神経細胞の軸索(※)には、本来軸索を覆っている膜(髄鞘)がありません。髄鞘があってこそ軸索は速く情報を伝達できます。生まれると「髄鞘化」といって神経細胞同士がつながり、神経の伝達速度がどんどん高まっていくのです。髄鞘化は生まれてからもずっと続きます。ピークは11~12歳です。

※軸索…神経細胞からの情報を末梢に伝える役割。

Dr.ぷぅから一言
夫律子先生

赤ちゃんのエコー写真を見て、もしも脳に黒い影があったら……妊婦さんだったら不安を感じるのは当然です。しかし、エコーは撮る角度によってまちまちなもの。あまり心配しすぎない方がいいです。
ただ、実は通常の妊婦健診のエコーでは、胎児の脳の異常を早期発見するのは難しいとされています。
クリフム出生前診断クリニックには胎児脳専門の胎児脳センターがあり、脳の精密検査を妊娠18週から受けられるので不安な方は受診をおすすめします。妊婦健診よりも精密な神経超音波検査が受けられます。もしも脳の異常を発見した場合には、早期より詳細な染色体や遺伝子の診断を受けられますし、出産後に適切な治療をほどこす準備期間も作ることができます。何よりも結果がはっきりとわかることで、ママさんが不安な気持ちで過ごす時間を軽減できます。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック胎児診断センター・胎児脳センター 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/臨床遺伝専門医ほか)

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の「胎児脳センター」がある胎児診断専門施設

クリフム出生前診断クリニックには、日本初の「胎児脳センター」があります。院長のDr.ぷぅは1996年から胎児の脳を専門的に診てきた実績があり、各国から有識者が集まる学会でも「胎児脳」といえばお名前が挙がるほど、知識も技術力も高く評価されています。
世界的にご活躍されているだけでなく、3児のママでもあり、明るく温かなお人柄です。超音波検査はもちろん、胎児脳センターでは妊娠18週から脳の精密検査が受けられるので、赤ちゃんの脳の発達が心配なママも安心して相談できます。

所在地:大阪府大阪市天王寺区上本町7-1-24松下ビル3F/問い合わせ:06-6775-8111
※開院年度・実績については同院HP参照