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ターナー症候群は先天的な染色体異常により、女性だけに発症する疾患です。1,000人から2,000人にひとりの割合で発症すると言われています。こちらのページではターナー症候群はどのような検査で判明するのか、特徴や治療方法などを詳しく解説します。
ヒトの1つの細胞内には、44本の常染色体と2本の性染色体(計46本)で構成されています。女性の場合、2本のX染色体がありますが、ターナー症候群の人はその2本のうちの1本の一部、または全体が失われています。
ターナー症候群の新生児は手の甲と足の甲に腫れがあったり、首の後ろに腫れや皮膚のたるみが認められたりなど、出生時の外見で診断されることがありますが、実際には生まれてすぐにはわからないような場合もあります。外見的な特徴が確認された場合、血液を用いた染色体検査で確定します。
まれにではありますが、学童期や思春期までわからないケースもあります。
ターナー症候群にもごく軽症から重症までさまざまな状況があります。ターナー症候群が出生前の超音波検査で疑われる場合は重症であることが多いです。妊娠初期にNTがとても分厚い、血流が不安定、四肢が短い、頻脈があるなどの特徴がそろった場合にはターナー症候群が疑われます。
疑いがある場合には、絨毛検査・羊水検査で確認することができます。
ターナー症候群の発症理由について、はっきりとしたことはわかっていません。ほとんどのケースにおいて両親の染色体に特別な異常は見られないため、赤ちゃんに引き継がれる際に、偶発的に染色体の形や数の変化が起こるのでは、と考えられています。
X染色体の一部や全体に異常があることで起こるターナー症候群ですが、症状の特徴はどのようなものなのでしょうか。
ターナー症候群は1,000人から2,000人に1人の割合で出生するとされています。受胎の時点ではさらに多くの割合で発生しながらも、X染色体が1本しかないXモノソミーの場合は9割以上が自然流産になってしまうと報告されています。
出生後まもなく、外見的にわかりやすい特徴は次の通りです。
内科的には、大動脈の一部が狭くなった大動脈縮窄症(だいどうみゃくしゅくさくしょう)などがみられる場合もあります。すべての特徴が表れているわけではなく、個人差があります。
小児期以降のターナー症候群に見られる大きな特徴として、次のような事柄が挙げられます。
低身長については、ほぼ全ターナー症候群に見られる特徴です。治療をしてない場合の身長平均は約139cm、治療を続けている女性の平均身長は約145cmといわれています。
普通は、卵巣から分泌される女性ホルモンによって、10~12歳ごろから月経がスタートしたり、胸が膨らみはじめたりします。しかしターナー症候群の場合、卵巣機能が弱いことから二次性徴が起こらないことがあります。自然に生理が始まる女性は約2割というデータがあります。
知的面は問題ないとされています。人によっては図形の向きが理解しづらかったり運動が苦手であったり、言葉を伝えるのが苦手というケースもありますが、いずれもゆっくり時間をかければ理解できるようになります。
ただし、医師や看護師、その他の知的職業についている人もいらっしゃり、知的障害をともなわないケースもあります。
染色体異常疾患のターナー症候群に対する根治的な治療法はありません。しかし、それぞれの症状に対しての治療は行うことができます。
例えば「低身長」に対しては、成長ホルモンの注射をして成長を促します。データによると、成長ホルモン治療を実施したターナー症候群の成人女性平均身長は、約145cm以上となっています。これは治療をしていない女性と比べ、約5cm高くなっています。
二次性徴がみられない女性に対しては、女性ホルモンの投与を行います。段階的に女性ホルモンの投与を増量することで、月1回の月経がくるようになる治療法です。
心臓に異常が見られる場合などは、外科手術を行う場合もあります。
ターナー症候群の女性は、心臓、耳・聴力、腎臓、骨密度、甲状腺、生活習慣病など定期的に検査を受けます。それらの項目を注意深く観察し、適応とされる治療を受けることになります。
NIPTを受け、ターナー症候群が陽性という結果を受けていたご夫婦がいます。
お腹の赤ちゃんは、本当にターナー症候群なのか…。ご夫婦で悩み、向き合ってどんな選択をされたのか、お話を伺いました。
分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。
所在地:大阪府大阪市天王寺区上本町7-1-24松下ビル3F/問い合わせ:06-6775-8111
※開院年度・実績については同院HP参照
ダウン症などのトリソミーは母体年齢により頻度があがっていきますが、ターナー症候群は母体年齢には関係なく、20代の妊婦さんでも40代の妊婦さんでも同じ確率で起こるとされています。
また、無認可NIPTでは性染色体を調べているところもありますが、NIPTではターナー症候群は偽陽性が多くでるため、専門家にみていただく方がいいでしょうね。
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夫 律子(ぷぅ りつこ)
クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)
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