出生前診断のこころえ それは真剣に赤ちゃんを想う夫婦の証 » 妊婦健診で気になる胎児の異常 » 胎児の鼻骨に異常があると言われた…

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胎児の鼻骨に異常があると言われた…

胎児の鼻骨の形成時期や染色体異常との関係、鼻骨の診察方法について詳しく解説します。

また本記事は、編集部がよりたしかな情報を届けるためにクリフム出生前診断クリニック胎児診断センターに監修を依頼しています。

胎児の鼻骨がみえない・短いとどうなる?

胎児の鼻骨がみえない・鼻骨が短い場合でも大多数は問題ありませんが、染色体異常の可能性もあります。具体的に数値を見ると、染色体が正常な胎児でも2%みられ、ダウン症児では60~70%、18トリソミー児で50%、13トリソミー児で40%に見られます。

18トリソミーとは染色体異常により発症する先天性疾患群のひとつで、3,500~8,500人に1人の頻度で見られます。胎児期からの成長障害、小さいあごや手指の重なりなどの身体的特徴などの症状や、重度の心疾患が発生することもあります。生後の生存率も低くて2ヶ月までには半数が亡くなり、1年生存率は10%程度と言われています。

13トリソミーは約10,000人に1人の割合で発生し、前脳が適切に分割されないことで生じる全前脳胞症や顔面奇形、出生時低身長などの症状があります。約80%で重度の先天性心血管異常を合併し、右胸心がよくみられます。出産に至るのは4%で、出生しても生後1か月以内に80%が死亡し、1年間生存できるのは10%程度とされています。

しかし鼻骨が見えないと診断された場合でも正常染色体である場合には、正常な妊娠過程をたどります。

胎児の鼻骨はいつ形成される?

胎児の鼻骨は11~13週頃には骨化していきます。赤ちゃんの頭殿長(頭の先からお尻の先までの長さ)が45〜84mmの妊娠初期です。妊婦健診のエコー写真を見返して鼻が見えなかったり短く見えても、自己判断で「病気かもしれない」と慌てないでください。エコー写真は、胎児の角度によっても左右されます。

鼻骨の診察方法

鼻骨の診察・測定には、胎児の正確な横顔中央のエコーを撮る必要があります。頭と上胸部で全体を占めるほどの大きさでエコー写真を撮るなど、細かな条件を満たしてようやく鼻骨長を測定できるようになります。鼻骨の正確な測定を通常の妊婦健診のエコーで行うのは難しいと言えるでしょう。また、アジア人は白人と比べ、妊娠初期でも鼻骨の長さが短いと言われています。ネットで調べて白人のデータと比較して心配してしまうことは避けましょう。

ドクターから一言
夫律子先生

エコー写真を見返して鼻骨がないかも…と不安な思いをされている方がいるかもしれません。赤ちゃんの鼻骨が見えなくても、多くは正常な妊娠過程をたどりますが、もし不安を拭いたければ出生前診断を受けてみてはいかがでしょうか。

私のクリニックではまず出生前診断の第一段階として、胎児ドックという妊婦健診のエコーよりも精度の高い超音波検査を行います。鼻骨もしっかり診察でき、胎児の体を全身くまなくチェックし、ダウン症以外にも病気の可能性を調べます。

元気に生まれてきてほしいと思う気持ちがあるからこその出生前診断です。受ける選択をすることに罪悪感を持つ必要はありません。出生前診断は赤ちゃんと真剣に向き合っている夫婦の証です。

夫律子先生

夫 律子(ぷぅ りつこ)

クリフム出生前診断クリニック 院長(日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医/日本超音波医学会認定超音波専門医/日本人類遺伝学会・日本遺伝カウンセリング学会認定 臨床遺伝専門医ほか)

【監修】クリフム
出生前診断クリニック
日本初の胎児診断専門施設

分娩・不妊治療・婦人科治療は扱わず、胎児診断を専門とする施設として2006年に開院。絨毛検査13,414件・羊水検査2,098件と、専門施設として実績豊富(2009年~2019年累計)。大学病院から紹介があるほど医療関係者から信頼が厚く、全国から妊婦さんが集まります。

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